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  • 執筆者の写真辻正仁

#001 REVOLVER / THE BEATLES (1966)

更新日:2022年3月4日


このエッセイの第一回目なんでビートルズ。

それまでも幼少の頃から歌謡曲だのフォークソングだのは結構好きだったので、そうした素養はあったのだとは思うが、今振り返ると自分の『音楽が大好きな人生』の引き金になったのは、月並みなようではあるけれど、やっぱりビートルズだったんだろうなと思う。

だから一回目はビートルズね。


初めて聴いたビートルズのアルバムがなんであったかは覚えていない。


小学校五年生くらいの頃に隣のクラスにいた、後に一緒にバンドをやることになる友人が学校にビートルズを持ち込んだのがきっかけだった。隣のクラスの少数の仲間内でちょっとした”ビートルズブーム”が到来したのだった。

色々と後になって知ったことだが、それは丁度ビートルズの解散から数年が経過し、本人たちの承諾なしに訳のわからない編集盤が乱発されて、リアルタイムでは聴いていなかった世代を中心に”第二次ビートルズブーム”というものが起きていた時期と符合する。


クラスが違うため、僕のところにそのビートルズが伝わってくるのにタイムラグがあり、隣のクラスの連中が手分けしてビートルズのアルバムをダブらないように買い集め貸し借りしている最中に聴かせてもらうところから始まったのだ。


多分、最初はベスト盤みたいのを聴いたのだと思うけれど、そのあとは発表した順番なども知らずに、借りて来たレコードをカセットテープに録ってごちゃ混ぜで曲を聴いていたんだと思う。

だからまぁ、1回目にセレクトするのはこの『REVOLVER』じゃなくて『Let It Be』でも良かったんだ、別に。


ところで、あれから何10年も経過して、今頃気がついたんだけど、ビートルズの正式な表記って『THE BEATLES』なのか『The Beatles』なのかどっちなんだろうね?

そしてこの『REVOLVER』も、いろんな配信サービスとか見ると『Revolver』って表記もあるんだよね。

結構、発表した側の表記に対して尊重したいというか、拘りを持ってるつもりだったんだが、ビートルズに関しては自分にそういう考えが芽生える前から聴いているせいか、今までまったく気にしたことがなかったな。


それはともかく

ビートルズのアルバムの中で特にコレが好きというわけではない。言ってしまえば全部好きだ。そして日によってその順位は入れ替わる。

ただ、この『REVOLVER』に関して言えば、中学一年の秋頃から中学三年になる頃までは随分何度も聴いていた記憶がある。自分が一番熱心にビートルズを聴いていた時期で、マニアックな知識もこの頃に基本は身につけた。もちろん他の作品も含めてだが、ほぼ毎晩、深夜にはビートルズを聴いており、何かと言えば『REVOLVER』を選んでいた気がする。

詳しい話は省略するが、カセットにダビングしたものをテープが伸びきるまで聴いていた。ビートルズに関しては、レコードに針を落とすのは、テープがダメになって再度ダビングし直す時だけだったなそう言えば。


夜中から、夏であれば空が白み始める頃までは、ヘッドフォンでビートルズを聴く時間だった。そして仮眠をとって学校へ行き、そこでしっかりした睡眠をとっていた(笑)。

ヘッドフォンで聴いていると、モノラルを想定してレコーディングしたものを、無理やり分離させてステレオサウンドにしていて、ボーカルと伴奏が右と左に振り分けられてたのが気持ち悪かったな。

その後も事あるごとに聴き続けているから、特に聴いてると当時を思い出すとかは一切ないのだけれど、このアルバムを聴いていると、辺りが寝静まっている中、一人きりの部屋で次第に夜が明けてくる気配を感じていた、あの感覚がふと過ることがある。

うん、このアルバム、特にお気に入りの曲がたくさん入っているわけでもないしね。色んな意味で多大な影響を受けたジョン・レノンの曲は『Tomorrow Never Knows』は大好きなんだが、他の曲は今聴くと「ん?なんか調子悪いの?」って感じもするし(多分、ラリってたんだよね)。まぁその分というか、ポールが佳作揃いで奮闘していていいな。

ビートルズって、うまい具合にジョンとポールのどちらかが調子悪い時にどちらかが良い曲書いてたりするんじゃないかな?

いずれにしても、このアルバムって、ちゃんと曲順通りに通して聴くとなんだか魅力的なんだよね。

どうも、ヒットシングルを収録しないでアルバム発表するのって、ビートルズが始めたらしいんだけど、その影響でアルバムとその「トータルなムード」が多分、僕の中二の頃の深夜から夜明けにかけての気分とリンクしちゃったんじゃないだろうか?

音楽に夢中になり始めた頃に、こうした「アルバムを総体として楽しむ」って感覚が染み込んだってのは、後々の自分にとって結構大事なことだったかもしれない。

だから、今だにビートルズのオリジナルアルバムって一曲目から最後まで通して聴くしね。できれば、CD化された時に、レコードやカセットの”A面からB面に入れ替える余白の時間”も再現して欲しかったな。




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